不正な経理処理で宮城県から業務改善命令を受けた医療法人「山水会」(蔵王町)が運営する精神科診療所で、大量の向精神薬「リタリン」が紛失した問題で、松本弘樹理事長が問題発覚後の3月に別の場所に開設した診療所について、県は一度も立ち入り検査をしていなかった。紛失に関する不自然な弁解をうのみにした県が、その後のチェックも不十分だったことになる。
山水会の介護老人保健施設に併設された「蔵王松本クリニック」に、県薬務課などが昨冬立ち入り検査し、リタリン粉薬約3キロと錠剤約1500錠の紛失を見つけた。松本理事長が2月、県に出した「報告書」では「患者に無償提供した」などと不自然な釈明が目立ったが、県は3月7日付で理事長に始末書を提出させただけだった。
松本理事長は2月末で蔵王町の診療所を閉じ、翌月、隣の大河原町に「大河原駅前クリニック」を開いた。
山水会によると、松本理事長は06年9月から1年間に自損事故を約50回も起こすなど言動がおかしく、職員が地元保健所に「新たな診療所を開設しないよう指導してほしい」と要請したという。【精神医療取材班】
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