北京から南西に約290キロ離れた河北省の省都、石家荘市のショッピングモールにこのほど、イタリア高級ブランド「グッチ」の大型店が誕生した。中国の最新店である同店では、へび革のバッグが4390ドル(約40万円)で販売されている。石家荘市民の平均年収の約2倍にあたる価格だ。隣に出店した米ブランド「ブルックス・ブラザーズ」では、190ドルボタンダウンシャツが並ぶ。同店販売員の王偉霞さん(24)は「石家荘市民はとても裕福になった。数年前までは発展が遅れて貧しい地域だった」と話す。
しかし、モールの階上のフードコートで日給50元(約660円)で働く男性の意見は異なる。彼は「李」という姓しか明かしてくれなかった。その李さんは「ここに来ているのは他人を出し抜いて豊かになった人たちばかりだ」という。
石家荘市のような光景は、中国のあちこちで見られる。過去30年の経済成長のおかげで何百万人もの人々が貧困を抜け出したが、その代償として、途方もない収入格差が生まれたのだ。60年前の10月1日、中国共産党は農民や労働者階級のための理想郷の実現を約束して権力の座についた。しかし、より幅広く公平な経済発展を遂げたのは、イデオロギーで対立する台湾や韓国であった。
労働者階級や農民の間には、政治腐敗に対する憤りや、一握りの人々が他の多くの人々を犠牲にして富を築いていることへの怒りが広がっている。こうした反発に向き合う胡錦涛国家主席や温家宝首相にとっても、貧富の格差の拡大は深刻な懸念事項だ。温首相は、9月10日に開催された大連世界経済フォーラムでの演説で「中国は収入格差を縮小」しなければならないと述べている。
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